●一昨日、本当に久しぶりに対面での集合研修に行ってきた。さまざまな機関の中堅係員を集めた4日間研修の1日を担当したのである。例年はグループワークなども交えていたのだが、今年は感染対策のために同じ三人組で1日を過ごすというプログラムで行った。
●たまたま研修実施日の前々日に緊急事態宣言が解除されたことから実施されたのだが、私自身も今回は感染への恐れもありつつ、何かワクワク感を感じ、やりたい気持ちが強くあった。それは研修員の方々も同じだったようで、制約のある中ではあるが、多くの方が対面でゆっくりと話すことを喜んでおられるように感じた。
●私自身も実施した感想として今、深い満足感を覚えている。それは私が大切にしていることが伝わった感じがしたからである。なぜそうなのかなと探ってみると、今回新たにリフレクションをプログラムに加えたことが大きいかもしれないと感じている。
●リフレクションとは日常生活や仕事で、気になることや困ったこと、うまくいかなかったことがあった時、それをふりかえり、気づき学びを得ることである。そしてこのリフレクションを行うためには、“今ここ”で感じている気持ちや想い、感じを大切にする必要が出てくる。
●これは一人でやろうとするとハードルにぶつかることが多い。今起こっていることに気づけない、なぜそうなったのかを一人で考えられない、起こったことを人のせいにしてしまう、などでうまくいかないのである。しかし誰かに助けてもらうととてもやりやすくなる。
●だから今回の実習ではまず、リフレクションを助けるコミュニケーションを学んだ。具体的には“今ここ”で感じている気持ちや想い、感じを確認するコミュニケーションを互いに練習したのである。これによって聞いてもらう嬉しさや自分が尊重された感じを多くの人が体験できた。
●その上で今年に入って困ったことや気になることという自分自身の体験を取り上げ、相互にリフレクションを支援しあう実習を行った。こうして“今ここ”を大切にすることで、今の自分を確かめることができること、これからどうしたいのかという方向性を感じられることを体験してもらった。
●もうすぐ60歳を迎える私としては、こうした組織内の研修をいつまでするかなという思いがある。現役世代の学びは現役世代が担う方がいいかなと感じるのである。しかしこうして“今ここ”を受け入れあうことのできる体験があるなら、もう少し時々はやってもいいかなとも感じている。
●ところで今回は研修でこうした場を持ったが、日常ではなかなかリフレクションを支援しあう場を持つことが難しいという声も聞く。それで体験と学びの会では、定期的にリフレクションを支え合い、学びあう「リフレクション勉強会」を9月からオンラインでやろうと考えている。もし興味があれば参加してもらえたらと思う。
●この勉強会は体験学習のサイクルの知識に触れ、“今ここ”で感じている気持ちや想い、感じを確認するコミュニケーションの練習、リフレクション支援の実習を体験したことのある人を対象にしている。まだ体験したことがない方は事前に「リフレクション基礎講座」を受講して欲しい。