●私は大リーグの大谷翔平のファンなのだが、それは彼の立ち居振る舞いに惹かれるものがあるからだ。その大谷がある時記者会見で「自分を評価しないことに決めているんで」と言っているのを聞き、彼の言動の源を一つ理解できたような気がしたし、これは私も学ばないといけないなと感じさせられた。
●実際、私が自分を評価してきた視線には良い加減というものがないように感じる。非常に厳しく評価を下しすぎて、自分を責め、行き着くところ、「自分には・・する価値(この仕事をする価値、役割を担う価値、さらには生きる価値)があるのだろうか」と思ってしまう。かと思うと逆に反省すべきところを流してしまう。
●こうした自分への評価の厳しさはそのまま、新たな一歩を踏み出す時の判断に影響する。失敗を避けるために未知の領域を避け、新たなことに取り組むことを躊躇する。こうしてふとやってみたいという「今ここ」を大切にできなくなる。結果として自分の枠を破るような新たな出会いや体験ができなくなってしまう。
●一方、今私の人生を豊かに形作ってくれているラボラトリーや師匠や妻との出会いは、自分であまり評価・判断を加えずに流れに任せる中で生まれてきたように思う。何かのきっかけがあり、あまり評価・判断しすぎずにまず動いてみて、そこで感じる「今ここ」を大切にする中で自分のものとなっていったのだ。
●私ももうすぐ還暦を迎え、これまでやってきた仕事は体力的、精神的にできなくなる日も近いなと感じる。ただまだ5年ほどは働ける仕事もあると思う。その際あまり評価しすぎず、自分の判断に固執せず、やってみて、今ここで感じつつ今の私に必要な仕事に出会えるといいなと思っている。