●人を助けるとはどういうことか 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
作者 ジェームス・ハンター
日本ラボラトリー・トレーナーの会で青山学院の樋田先生に薦められたPHP研究所からでているジェームス・ハンターの「サーバント・リーダーシップ」を読了しました。チーム経営におけるリーダーシップは、これまでのような「おれについてこい」的リーダーシップではありません。
ミッションの共有、権限委譲、対話的な相談という形でメンバーが自分で考え行動できる体制を築き、何かあればみんなで課題を一緒に考え解決していくような人間関係とチームワークを促進していくリーダーシップなのです。それは、まさにメンバーの仕事を下支えするリーダーシップ、つまりメンバーやそれを通じて顧客・社会に奉仕するリーダーシップなのだと思います。それにしてもこうした「しんどい」本がアメリカでは流行しており、専門のコンサルタントまでいるなんて、世の中も変わりつつあるのでしょうか。希望が持てますね。
●実践EQ 人と組織を活かす鉄則―「共鳴」で高業績チームをつくる
有名な「EQ」の著者ゴールマンさんの共同研究者で、EQに基づいたリーダーシップを研究されている2人が書かれた本です。この本では今後EQを持つリーダーによる「共鳴型リーダーシップ」が重要になると指摘します。ただ、面白いのは、最初この共鳴型リーダーであっても、組織の上位に出世するほど忙しく責任も重くなり、彼らの言う「パワーストレス」がかかってきます。
この中で、がむしゃらに働くとリーダーは徐々に疲弊し、その共鳴性をなくしてしまうのです。これは本人にとっても自分のミッションは何かを見失う危機であるとともに、周りの人(家族や部下)にとっても悲劇を招きます。
こうした中、この本では、リーダーが自分の大切にする価値にふれ「再生」し続け、常に共鳴的であることを保つことを勧めています。その要素として意識の傾注(マインドフルネス)、思いやり、希望を持つことの3つが大事だと指摘するのです。
チーム経営では一人ひとりを大切にする経営ということをうたっていますが、これはメンバー、リーダーが常に自分の深い価値に気づき、そこからエネルギーをもらい続けられる組織運営という意味も持っています。従ってこの本はチーム経営実現の一つの基本と言えると思います
●ファシリテーション・リーダーシップ―チーム力を最強にする技術
George Eckes(原著), ジェネックスパートナーズ(翻訳)
シックスシグマを題材に、こうした改善活動を進めるうえで、ファシリテーションがいかに役立つかを教えてくれます。物語調で読みやすいですよ。
●シンクロニシティ 未来をつくるリーダーシップ