ラボラトリー方式の体験学習は、ラボラトリートレーニングとも呼ばれ、全米教育協会に属するNTLが、1947年以降実施している参加者主体の体験学習です。
ラボラトリー方式の体験学習とは、グループなどで参加者自身が作り出す人と人との相互関係やコミュニケーションをその場で互いに検討し、一人一人が自分自身の感じ方や考え方、行動の仕方の特長、グループダイナミクスに気づき、無理をしたり自分をおさえたりすることなく、自分らしく成長していくこと、自分と他者を大切にするあり方、かかわり方をさぐるトレーニングです。
<ラボラトリートレーニングの生成・発展過程を知りたい方はこちら>
私たちは生まれ持った資質に加え、これまで生きて来た中でいろいろな人とかかわる中で身につけ、自分のものとしてきた “感じ方”、“反応の仕方”、“相手の受けいれ方”など「あり方」の特長やクセを、自分のものとして身につけてきています。
そして私たちは、トレーニングに参加している他の人たちと時と場を同じくしてかかわる中で、こうした自分の特長やその影響力に気づくことができます。また自分の中からわき出してくる「今ここ」の気持ちや想いを大切にして、よりよいあり方を試し、見いだすことができます。
つまりラボラトリー・トレーニングでは、こうして “自分らしく成長すること”ことを学んでいきます。また他者を尊重する「あり方」「かかわり方」を学んでいきます。こうしたかかわりの体験の中から、自分と他者が共に大切にし合いながら生きることを学んでいくことができるのです。
この学び方は1940年代にグループ・ダイナミクスを築いたクルト・レヴィンのもとでアメリカに生まれ、日本では立教大学にあるJICEや南山大学が中心となって受け継がれてきました。
このトレーニングでは、参加者が自ら主体的に、自分のかかわり方の特長を探り、よりよいかかわり方を探り、自分と他者を共に生かすために成長していくところにその特徴があります。従ってこのトレーニングでは、それを支えるスタッフ(トレーナーと呼ばれています)の人間観や倫理観がきわめて重要です。
いまこのラボラトリートレーニングを受け継ぎ、実施する機関として、南山大学人間関係研究センター、HIL(ヒューマン・インターラクション・ラボラトリー)、HCL(ヒューマン・コミュニケーション・ラボラトリー)などがあります。またこのトレーニングを行うためのトレーナーの研鑽の集まりとしては、「日本ラボラトリートレーナーの会」があります。
このホームページで紹介しているラボラトリーなどは、すべてこうした団体に属するトレーナーが提供しているもので、トレーニングは個々人の尊厳を重視して行われています。