体験から人と組織を生かすリーダーシップを探る
組織のリーダーの皆さま
組織のリーダーには経済的、社会的、人間的に大きな影響力があります。とりわけ人を大切にすることができる力、つまり人がその人らしく成長する場を提供するというかけがえのない贈り物を与える力があるのです。
しかし日々さまざまな出来事が起きる中で、いつも自分が持つ力を肯定的に使うことができるとは限りません。不安や戸惑い焦り、時には自分や部下への怒りやいらだち、失望が起きることもあります。例えば
・組織やグループを引き継いだが、どうリーダーシップを発揮したらいいかわからない
・全部自分が指示してしまっている。部下に任せられない・・
・なぜ自分で考え、動いてくれないのか・・。なぜそんなに受け身なのか・・
・部下のモチベーションが低い。自分のかかわり方に問題があるのか・・
・批判ばかりする部下がいるがどう対処すれば良いのか・・
・毎日の仕事をこなすだけで、思いが伝わっていない・・
こうした時に起こりがちなのが、次のようなネガティブな循環です。リーダーが否定的な気持ちに動かされ、部下やメンバーを責める、信頼できなくなる。結果的に働く人が萎縮する。いつのまにか働く人同士が、関心を持たず、冷たく責め合い、自己防衛的な組織になってしまう。
働く人は、リーダーに指示されたことだけを行うようになる。お客さまへのかかわりも通り一遍の心のこもらないものになる。成果もあがらない。リーダーも、こんなはずではなかったのにと、自分を責めてしまう。最後には皆があきらめてしまう。
こうした循環に陥ってしまった時、私たちに必要なことは、働く人やお客さまを大切にしたい、幸せにしたいという想いをエネルギーに変えて、人や組織にポジティブな変化をもたらすことができる、新たなリーダーシップを探ることではないでしょうか。
つまり組織リーダーは、働く人がより自分らしく、そしてチームワークよく互いに信頼しあいながら、お客さまに奉仕することを喜びと感じられるような成長を促すための、人と組織への新たなかかわり方を見出していく必要があります。